三月二十三日 持つ者と


雇用主と被雇用者のあひだには
決して埋めることのできない溝がある
人格とか態度とか待遇とかで隠すことはできない
主人と従者の関係であるから
力は主人の方にありまた
主人の方にしかない
雇用主の発言は使用人にとっては絶対である
いくら理が被支配者側にあったとしても
私の考へはかうだの一言で
どんな無理も通すことができる
旧態依然とした上意下達の組織を脱し
働く人の創造性を認め自主性を期待するやうな
中途半端に流行してゐる観念を
さも大事なことのやうに説かれても
従業員の心にはまったく響かない
そもそもどうしてオーナーの資産を増やすために
懸命に労働せねばならないのかの理由が欠けてゐるから
旧来の組織形態のままで
聞きかじった新しいことを導入しようとしても
うまくいくはずがない
ひづみはやがて必ず大きく育ってあらはれるだらう
所有者資本家持てる者があり
非所有者無資本家持たざる者があり
両者の関係は全く一方的であり
強者と弱者にわけられてゐる
この単純な現実のあり様は壊されるべきなのではないのかと
どちらかといへばわたしはおもふ

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