四月一日 擬似的自殺


生きるために欠かせないのが衣食住だとしたら
歓楽街はどうしてなくならないのだらうか
別に難問でも何でもない
生存に必要だからだ
仔細に見ればただ
華やかな夜の店が必須といふわけではなく
酒に頼る人もゐれば
おかしに逃げる人もゐる
うき世のあれやこれやをつかのま隠すおほひであれば
それが何であれ人はつかむのである
酒がなければやってられねえと大人はこぼす
つまり酒がないなら生きては行けないといふのが実状であり
酒をあびるやうに飲み飲み込まれておぼれ
はいて飲みはいて飲み
限界を迎へて意識を失ふまで
自らの力で自らを止めることができない
この行為が一時的な逃避なのか
何らかの代償希求なのか知らないが
たしかなのは
この擬似的自殺のやうな行動は
人間の日常生活の構成要素となってをり
最低限必要なのはしたがって
衣食酒住としなければならないのが
ありのままだといふことだ


   たのしげな こゑにひかれて がもはひり

コメント

このブログの人気の投稿

二月二十四日 ねえ・・・

五月二十四日 ぐらたん

六月二十日 のぞみ