三月二十九日 すいせん リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ 4月 10, 2019 くもひくくたれこめ かぜつよくつめたく かさにぎるてつよく はるはまだいたらず しらぬかどまがれば いへくちてのとなり がれきちるあけちに まばらにてくさはえ どぶながるしたまち にほひにはもうなれ かほあげるいへのま あれたちにすいせん はなのいろきんいろ ひとへばなひそりと がれきちるあけちの くさのまにひらきて くもひくくたれこめ かぜつよくつめたく かさにぎるてわすれ はるはまだいたらず リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ コメント
二月二十四日 ねえ・・・ 3月 08, 2019 ねえパパ この窮状をわたしは 誰に訴へたらよいのかしら パパに言っても仕方ないことくらゐわかってゐてよ だって同じ人間ですもの お互ひの惨状を目にして 相憐れむのがせいいっぱいですもの あるいは背くらべをはじめて 俺はあいつより金を持ってるとか 地位が高いとか 力があるとか 美しいとか 健康だとか 頭が良いとか 人より優れてゐるからまだましだなどと 自分に思ひこませて 自分の尊厳を 自分の幸福を かたくなに守らうとする そんなあはれな人間の 仲間内ですもの ねえ わたしは どうすればいいのかしら 誰にたづねたら教へてくれるのかしら ええ今すぐに救ってくれとは もう言はないわ ただ暗に示してくれるだけでも満足なの 終はりの見えないこの道の終点に いつかたどりつくことができるのかと 続きを読む
濁世の酩酊について 3月 20, 2015 酒を呑む者は酔っ払いになる。しらふでいる者は詩人になる。 どうもこの塵界ではそうである他ないようです。 たいていの方々は、両極端の中間を行くのが常でありましょう。 ある程度明晰な頭脳を働かせつつ、適宜酒を入れる、という具合です。 酔っ払いの特徴は、現実定位、常識を備え、社会の良き市民として暮らし、自他のために労働する、等々。 対して、しらふは、空想に逃れ、およそ非常識で、社会のつまはじき者として追いやられ、働くことをしません。 あはれな詩人様ですが、酒を飲むのを我慢して頑張っているというよりは、手当たり次第に酒樽を空にしても、どうしても酔えなかった、という類であるかと。必死に酔いたいと思えば思うほど、心は酩酊より遠ざかって行くのであります。 ただ、覚えておかねばならないのは、一見まともに見える良識者の振る舞いは、その根柢に最もまともでない部分を隠しているということでしょう。すなわち、酔っているからこそ、冷静に選択し適切に行為することができるのです。 狂気に近くて親しいお酒ですが、どちらかと言えば、酒の抜けたしらふの状態の方が、あちらに親近なのだと思われます。 酒を呑む者は社会人になる。飲まないでいる者は狂人になる。 そう言うこともできましょう。 本当に狂っているのはどちらか、それは何とも判じかねますが、どちらも同じくらい、かなしいものでしょう。 続きを読む
著作紹介 東都百景(4) 2月 04, 2015 あやしうこそ ものくるほしけれ といふのは、 一日中硯(すずり)に向かってゐた方の感想でございますが、 わたくしも机に坐って白紙を前にしてをりますと、 なにやら色々なことが思はれて参ります。 今日はそんな中からひとつ、 皆様に聞いて頂くことに致しませう。 『東都百景』といふ書きものが、 どんな様子で生まれたか、 幾分かでもお伝へできればと思ひます。 続きを読む
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