二月二十四日 ねえ・・・


ねえパパ
この窮状をわたしは
誰に訴へたらよいのかしら
パパに言っても仕方ないことくらゐわかってゐてよ
だって同じ人間ですもの
お互ひの惨状を目にして
相憐れむのがせいいっぱいですもの
あるいは背くらべをはじめて
俺はあいつより金を持ってるとか
地位が高いとか
力があるとか
美しいとか
健康だとか
頭が良いとか
人より優れてゐるからまだましだなどと
自分に思ひこませて
自分の尊厳を
自分の幸福を
かたくなに守らうとする
そんなあはれな人間の
仲間内ですもの
ねえ
わたしは
どうすればいいのかしら
誰にたづねたら教へてくれるのかしら
ええ今すぐに救ってくれとは
もう言はないわ
ただ暗に示してくれるだけでも満足なの
終はりの見えないこの道の終点に
いつかたどりつくことができるのかと



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