三月十八日 出勤


出勤時刻に近づくと
わたしは涙もろくなる
どんなに嫌でも
認めざるを得ない現実を
押しつけられるから
おかずのないごはんを
かきこみながら
わたしのほほは涙にぬれる

しかしおもふに
自由の強奪が嫌ならば
ごはんを食べる際にも
泣きたくなるはずではないか
空腹はわたしにはどうすることもできない
束縛に他ならないのだから
それともごはんは喜びで
自分の一部として認知されてゐるのか
いつかはごはんに
涙するときがくるのだらうか

生存のためか
家族の幸せのためか
よくもわからないが
わたしは働かざるを得なかった
最低の職に就かざるを得なかった
わたしは仕事を嘆くのか
もしも最高の職に就いてゐたら
嘆くことはなかったのだらうか
よくわからないが
何にしても
あまり変はらない気もする

出勤時刻に近づくと
わたしは涙もろくなる
どんなに嫌でも
認めざるを得ない現実を
押しつけられるから
おかずのないごはんを
かきこみながら
わたしのほほは涙にぬれる

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