二月二十七日 白い桜
悪い冗談だ
四人掛けのテーブルにからのコーヒーカップが一つ
呼び出し音が鳴りっぱなし
フードコートの窓から透ける空が
青い
さういへば今は二月で
さっき川沿ひを歩いてゐたら
つぐみが飛んで
桜が開いていた
頭がくらくらして
目に力をこめる
これはどうしたことだらう
いつからわたしは歩いてゐて
これはいつで
なんで世界はかうなのか
答へられないし知らうとも思はないし
ただわたしはここにゐて
白い桜が目に写るのだ
川沿ひの桜並木の
水色の空を歩いていく
これは何の
悪い冗談なのだ
コメント
コメントを投稿