三月十一日 どーなつ リンクを取得 Facebook Twitter Pinterest メール 他のアプリ 3月 23, 2019 図書館で本を返したあとの帰り道 スーパーに寄る 傘の水滴を払ひ かごを手に店に入る 欲しい物があると 値札を見つめて考へる 今日は百円で五個入りのドーナツが売ってゐた 会計を済ませて 傘をひろげる すぐに水がしみこんで 足が冷えてくる 狭くて急な階段を上がり 鍵をあけてうちに入る 靴下が濡れてゐる さっそくドーナツの袋をあける うすいコーヒーを飲みながら 不乱にドーナツをほほばる 足が冷たくて寒い 一度外したマフラーを 再び首にきつく巻く リンクを取得 Facebook Twitter Pinterest メール 他のアプリ コメント
二月二十四日 ねえ・・・ 3月 08, 2019 ねえパパ この窮状をわたしは 誰に訴へたらよいのかしら パパに言っても仕方ないことくらゐわかってゐてよ だって同じ人間ですもの お互ひの惨状を目にして 相憐れむのがせいいっぱいですもの あるいは背くらべをはじめて 俺はあいつより金を持ってるとか 地位が高いとか 力があるとか 美しいとか 健康だとか 頭が良いとか 人より優れてゐるからまだましだなどと 自分に思ひこませて 自分の尊厳を 自分の幸福を かたくなに守らうとする そんなあはれな人間の 仲間内ですもの ねえ わたしは どうすればいいのかしら 誰にたづねたら教へてくれるのかしら ええ今すぐに救ってくれとは もう言はないわ ただ暗に示してくれるだけでも満足なの 終はりの見えないこの道の終点に いつかたどりつくことができるのかと 続きを読む
五月二十四日 ぐらたん 6月 06, 2019 ねむい かうしてペンを握ってゐても目をあけてゐられないほどには ねむい ねむたいけれどわたしは起きてゐる こんな単純でどうしやうもない絶望が 他にあるだらうか これこそまぎれもない不満足であり 純粋な不幸ではないか 体の芯から睡眠を慾してゐる 全身に残る疲労感 ねむればどんなに気持ちよいことだらう まっしゅるうむ まかろに ちがふものだったっけ まっしゅるうむとまかろに 菌と麦だった ぐらたんたべよう ぐらたんにしてたべよう きのこと麦のぐらたんをたべよう ん?あれ? なんかにがいぞ さうかこれが不幸の味か なんちゃって ちゃんとおいしいよ しあはせのぐらたんだよ 続きを読む
六月二十日 のぞみ 7月 03, 2019 単純な機械でできるやうな仕事がしたい 工場で流れて来た製品に部品を付けるやうな 頭を一切使はない作業がしたい 何も考へたくない 喋りたくない 人間と社会に関はりたくない わたしに一番ふさはしいのは 奴隷だとおもふ 主人の命令をきくだけの 意志を持たない人形に わたしはなりたい さういふものになるしか 今のわたしに道はない 疲れて疲れて 疲れはてたわたしの それが末路でありのぞみだ 続きを読む
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