六月十六日 ひどい雑文


さうだもうやめよう
嫌なことはやめよう
我慢して続ければ
わたしは苦しみ
怨嗟の歌は隣人の顔を暗くする
はっきりしてゐるではないか
この仕事はわたしにはふさはしくない
従業員といふ立場もさうだし
接客業といふ職種もさう
心からの笑顔なんてできない
ごまかすことはできるが
わたしも客も不幸にするだけだ
しかし今の仕事をわたしは望んで選んだわけではなく
生活のために仕方なく就いてゐるに過ぎない
もしやめるならわたしは生のつてを他に求めねばならない
アルバイトを始めても
今よりもっと悪くなるだけだ
何よりそれは新たな従属であり
わたしの望む独立ではない
わたしはまづ第一に独立しなければならない
昨日実家から電話があり
兄が来月こちらに遊びに来るといふ
何よりも明晰なのは
わたしが働いてゐる姿を
笑顔で客に頭を下げてゐる姿を
家族の者に見られたくないこと
想像するだけで恥で耳が赤くなること
申し訳なくなさけないこと
ああもういいだらう―――
わたしがこの仕事をやめるべきなのは
真夏の青空くらゐはっきりしてゐる
ただ何の準備もなくやめれば
たんにもっとひどい苦境に陥るだけなのも明らかで
わたしがすべきなのは
衝動に身を任せてやめることではなく
情動を抑へて準備を進めることだらう
要するにまだ当分は
苦しまなければならない

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