六月三日 祈り?


わたしは誰にこの窮状を訴へたらよいのでせう

問題は山ほどありますが

一番切実なのは

現状語りかけるべき相手がどなたなのか

わからないといふ点ではないでせうか

心当たりすら全くない状態なのです

そんなただ中でわたしは一体

どうしてこの訴文を記してゐられるのでせう

ずいぶんとこっけいな

摩訶不思議なことをしてゐるものです

まるで誰かの目にふれてしかも

その誰かがあはれみの心を動かしてくれると

そんな信仰心を秘めてゐるかのやう

せっぱつまった人間は

なりふりかまはないといふことの証明を

行ひつつあるわけです

これは祈りでせうか

とんでもないと否定したいのですが

はいこれがわたしの

いのりなのです

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