四月二十一日 休息


肉體って本當に何なのだらう
わたしがおもはずもらした言葉に女の子は答へた
それは考へてゐるのそれともたんなる
人間流のためいきなの
両方と言ひたいところだけど
わたしはこたへた
ほとんど後者だらうね
ならをはりね
女の子は興味なさげに告げた
あなたは疲れてゐるだけなのだから
わたしは大丈夫?と心配してあげればよいのかしら
肉体・肉體・にく体・にくたい
とつぶやくあなたをのぞきこんで
かはいさうにつかれてしまったのね
あちらでちょっと休みませう
と気遣ってあげれば
あなたは満足するのかしら
どうもありがたう
わたしは言った
でもわたしがほしいのは少しの休憩ではなく
現実からの完全な逃避先でもなく
ましてや同胞からの心のこもったなぐさめでもないんだ
あらさうなの
女の子は驚いた風に云った
それ以外にほしいものがあるのかしら
さうだね
わたしはこたへた
わたしに限らず
かなり多くの人間は
仮の宿りではなく
永遠(とは)の眠りを求めてゐるのだとおもふよ
もう起きなくてもいい
本當の休息をね

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