四月二十七日 痛みと苦み


あさいねむりから
たたいておこされ
くさりにつながれ
ひきずられて
刑場へ

たぶん人生といふのは
この毎日が積み重ねられた
総計の謂だ

ここには二種類の人間しかゐない
くさりにひかれるがままに歩く人と
ひきずられまいとあらがふ人

ただいづれにせよ
うでにくひこむかせが痛いので
はじめのうちは抵抗してゐた人も
弱くおとなしくなって行き
つひには一切反抗しなくなる

かうして羊の群れは今日も
犬におひたてられて
ものもいはずにしたがふ

足をとめても
くさりがあるから
歩きつづける他ない

夢に逃げても
たたきおこされるから
現実を見る他ない

たぶん人生といふのは
いまこの瞬間この一刹那の
とりちがへやうもない
苦味のことだ

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