『東都百景』 Kindle版も製作中です

以前、

「本を買いたいのだけれど、値段が高いので手が出しにくい。」

というお話を頂いて以来、考えていたのですが、Kindle版をつくることにしました。


本の全体を五つに分け、全五篇とし、一篇ずつ購入できるようにするつもりです。

値段は、書籍の方が高くなってしまいましたので、釣り合いをとる意味も含めて、

一篇99円としたいと思います。

何年もの歳月をかけた作品の値段としては安過ぎるように感じてしまいますが、

まづは手に取って読んでもらわなければ、何も始まりませんから、

設定可能な一番安い価格にしてみました。

試し読みのような感覚で、まづひとつを読んで頂ければと思います。


私は今までKindleを見たことも触れたこともなかったのですが、Kindle端末をお持ちでない方でも、

スマートフォンやタブレット、パソコンで見られるようなので、気になっていた方はこの機会にぜひお試し下さい。

このブログでも、パソコンでKindleを読む方法を紹介しています。
記事はこちら。「Kindleの本をパソコンで読む方法」


Kindle版について、断っておかねばならないのは、紙の書籍版とは同じではないということです。

かなづかいと漢字は、画面上での見やすさを鑑みて、大幅に変更してあります。より詳しく言えば、旧漢字と旧かなづかいをほぼやめて、現行の表記法に準ずる形に直してあります。これはとてもつらい作業でした。懸命に改悪している気分がしました。結果、電子版と紙の書籍版とでは、文面がかなり異なるものになっています。

筆者個人は、別の作品という認識でおります。電子版は、紙の書籍版への導入として、作品の雰囲気に触れて頂くもの、という位置づけです。


Kindleについて少し感じた所を記しておきます。印刷本を作るのは、自分の場合、三か月以上かかったように記憶していますが、Kindle本の場合は、原稿さえあれば、すぐにでも申請ができます。手間も時間もお金もかかりません。

拍子抜けするくらい、簡単便利なのですが、『東都百景』のような作品には合わないと感じています。

愛情をこめ二年かけて熟成させた醤油を百均のボトルに詰めてお客様に届けるような違和感があります。

とはいえ、慣れの問題かもしれません。

実際の製本した冊子にしましても、電子版と比べれば手間ひまかかっていますが、昔の活版印刷に比べれば、はるかに安っぽいものに思えるでしょう。

まあ、読んで下さった方の感想など参考にしつつ、Kindle版の是非については考えていきたいと思っています。


第一弾として、序景から第二十景までを収録したものは、すでに購入できるようになっています。

残りの部分については現在制作中です。


補足:
ツイッターにてmujina様より感想を頂きましたので、こちらにも引用させて頂きます。

「第一部読み終わり…
言葉の迷宮に迷い混む心地が致します。
漢字や言葉遣いを直しておられますが、
直さない方を読みたいかな…。
いろんな情景と心情が次々現れてほの暗い道をあちらこちら…。」

mujina様、ありがとうございました。




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