六月二十三日 たんそく


学校はたへがたい場所だった

未熟な子供にはつらかったらう

自傷行為を繰り返し

授業ではノオトの端に日記をかいてゐた

体育ではグラウンドの真ん中で

何もせず突っ立ってゐた

もちろん先生にどなられた

理由がない

だから動けない

なのに周囲は動き

わたしは巻き込まれて流されざるを得ない

こんな苦しみが他にあるのか

当時のわたしにはおもひつかなかった

そんな子供の姿をふとおもひ出す

今わたしは何も変はってゐない

理由がない

なのに生きてゐる

これほどつらいことがあるだらうか

わたしにふさはしいのは

精神病院のベッドか

橋の下にダンボールで作った寝床であって

ここは本当に場違ひだ

けれどわたしが途中で退場したら

残された親や妻はどうなるかと

考へてしまふ

たんそくするしかない

生まれなければよかったと

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