労働日記 二月十四日 はとのめ

いかに安く腹を満たすかだけを考えて、コンビニ弁当の前をうろうろする。

腰の曲がったおばあさんが紙袋をさげて歩道の端を歩いている。

弱肉強食、社会的地位、上下、差別、これでよいのだろうか。

労働者には苦しみしかない。







――――――――――――――――――――――――――――――――――







人間を知りたいなら

あそこにゐるはとを見てごらん

どこにでもゐるふつうのはとの

まんまるおめめをのぞいてごらん

何が見えるかな

何が映ってゐるかな

地面のぱんくづ

美しき異性

快適な寝床

さういふものが映ってゐるけど

どういふ色合ひをしてゐるかな

希望はある

ううん

夢は

みえない





さうなんだ

元々備はってゐた

ひとみの透明はうしなはれ

混濁と混乱が染み込んでゐるんだ

もうほとんど見えてゐないのかもしれないね





それでも

濁りきったまなこでも

たのしい光景は見つからないし

日々の生活がつらいから

探す気力も残ってないんだよ





絶望といってよいのかな

いやたぶん

それよりもっと残酷なものだよ





人間を知りたいなら

みてごらん

ふつうのはとの

まんまるおめめを

のぞいてごらん





コメント

このブログの人気の投稿

二月二十四日 ねえ・・・

五月二十四日 ぐらたん

六月二十日 のぞみ